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基礎知識リールのドラグとは|最大ドラグ力の見方と、はじめての合わせ方
レベルと釣り方はじめての1本・1台

魚が掛かって、ハンドルを巻いているのに、「ジーッ」と音がして糸が出ていく。はじめてだと、「こわれた?」とあわてる場面です。でも、これは故障ではありません。リールの「ドラグ」という仕組みが、糸が切れないように、わざと糸を出しています。
スペックの表にも「最大ドラグ力 9kg」のような数字が並んでいて、「大きいほうが、いいリール?」と気になるところですよね。
で、先に答えを言うと、最大ドラグ力の数字で、リールを選ぶ必要はありません。番手を釣りに合わせれば、強さは自然に足ります。大事なのは、釣りの前に、ドラグを「強く引くと、じわっと糸が出る」くらいに合わせておくことです。

ドラグは、糸を守るブレーキ
釣り糸は、強く引っぱると切れます。魚が急に走ったとき、糸がぴんと張ったままだと、その力がぜんぶ糸にかかって、切れてしまいます。ドラグは、そうなる前に、スプール(糸を巻いておく筒)を少しだけ逆に回して、ブレーキをかけながら糸を出す仕組みです。
糸が出るぶん、魚は少し遠ざかります。でも、糸は切れません。魚が止まったら、また巻く。走ったら、また出る。このくり返しで、細い糸でも、大きめの魚を寄せてこられます。
つまみは、スプールのいちばん上
スピニングリールのドラグは、スプールの上に付いている丸いつまみ(ドラグノブ)で調整します。時計回りに回すと締まって、糸が出にくくなる。反対に回すとゆるんで、糸が出やすくなります。
- ゆるめすぎ:巻いてもスプールが空回りして、糸を巻き取れません。
- 締めすぎ:糸が出ないので、竿に無理な力がかかったり、糸が切れたりします。
ちなみに、リールの後ろ側につまみがある「リアドラグ」という形もありますが、このサイトで取り上げているスピニングリールは、どれもスプールの上で調整する「フロントドラグ」です。
「最大ドラグ力」の見方
スペックの表にある「最大ドラグ力」は、つまみをいっぱいまで締めたときに、どれだけの力で引くと糸が出はじめるか、という上限の数字です。単位は kg で、堤防の釣りなら、ここまで使うことはまずありません。
シマノの表には、もう1つ「実用ドラグ力」という列があります。こちらは、ふだんの釣りで使う範囲の目安、と受け取ってください。ダイワの表は、最大ドラグ力の1つだけです。入門の型で、番手ごとに並べてみます。
| 大きさ | シマノ 22サハラ 実用/最大 | ダイワ 24レブロス 最大 |
|---|---|---|
| 2000番 | C2000S 2kg/3kg | LT2000S 5kg |
| 2500番(浅いスプール) | 2500SHG 2.5kg/4kg | LT2500S-XH 5kg |
| 3000番 | C3000HG 3.5kg/9kg | LT3000-CXH 10kg |
| 4000番 | 4000XG 6kg/11kg | LT4000-CXH 12kg |
2026年10月13日時点の数字です。

番手が大きくなるほど、ドラグも強くなります。大きい番手は、太い糸で、大きな魚をねらうためのリールだからです。
9kg と言われても、ぴんとこないですよね。2リットルのペットボトル4本半をぶら下げても、糸が出ないくらいの強さです。堤防の釣りで、そこまでの力が要る場面は、まずありません。
数字が大きいほど良い、ではない
ドラグは、糸が切れる前に働かせるものです。だから、実際に使える強さは、リールではなく、糸の強さで決まります。
たとえば、サビキやちょい投げでよく使うナイロンの 3号は、およそ 5.4kg までの力に耐える糸です。C3000HG の最大ドラグ力は 9kg なので、いっぱいまで締めたら、ドラグが働く前に、糸のほうが先に切れてしまうんですよね。
つまり、最大ドラグ力は「ここまで締められます」という上限で、ふだん使うのは、そのずっと手前です。3000番で 9kg か 10kg か、というちがいは、堤防の釣りでは気にしなくて大丈夫です。メーカーをまたいで数字の大小をくらべるより、同じ型の中で「番手が上がると、どのくらい強くなるか」を見る数字、と考えてください。
S の付く番手は、ドラグも細い糸向け
「S 付きはドラグが弱いから、だめ」ではありません。同じ 2500番でも、S の付く番手は、ドラグの上限が低めになっています。
サハラなら、2500 の 9kg に対して、S の付く番手は 4kg。S は、細い糸をちょうどよく巻ける、浅いスプールの記号です。細い糸は弱い力で切れるので、ドラグも、細い糸に合わせた弱めの設定になっています。
アジやメバル、エギング、バス釣りのように、細い糸を使う釣りには、そのほうが合っています。
値段が上がっても、強さは同じ
シマノのスピニングリールを、同じ C3000 の大きさで、値段の順に並べると、こうなります。
| 型 | 値段(税別) | 実用ドラグ力 | 最大ドラグ力 |
|---|---|---|---|
| 22サハラ | 9,700円 | 3.5kg | 9kg |
| 26ナスキー | 14,200円 | 3.5kg | 9kg |
| 23ストラディック | 29,100円 | 3.5kg | 9kg |
| 24ツインパワー | 54,000円 | 3.5kg | 9kg |
2026年10月13日時点の本体価格(税別)です。どれも C3000 の数字です。
1万円前後のリールでも、5万円をこえるリールでも、ドラグの強さは同じです。値段で変わるのは、強さではなく、なめらかさと、長もちのほうです。
ドラグの中には、ワッシャーという、こすれてブレーキをかける部品が入っています。上の表のストラディックとツインパワーには、このワッシャーに、すり減りにくい新しい素材が使われています(デュラクロス。メーカーのテストで、すり減りにくさが 10倍以上)。ダイワの 24レブロスや 23レガリスには、入門の型でも、魚が引いた瞬間にすっと動き出すタイプのドラグ(ATD TYPE-L)が入っています。
どちらも、細い糸で大きめの魚とやり取りするときに、効いてくる所です。年に数回の堤防の釣りなら、入門の型のドラグで、足りないことはない気がします。
ドラグの合わせ方

釣りを始める前に、1回だけ、ドラグを合わせておきます。手順は4つです。
- 竿にリールを付ける
- ドラグのつまみを、時計回りに回して、軽く締める
- リールから出てすぐの所の糸を手で持って、ゆっくり、強めに引く(竿は曲げません)
- 「ジッ、ジッ」と、じわっと糸が出るくらいになるまで、つまみを少しずつ回して合わせる
軽く引いただけでスルスル出るなら、ゆるすぎ。力いっぱい引いても出ないなら、締めすぎです。「強く引くと、しぶしぶ出る」くらいが、ちょうどいい所です。
あとは、竿の曲がりで確かめる方法もあります。竿のガイド(糸を通す輪)に糸を通して糸を強く引き、竿が曲がり切ったところで、少しずつ糸が出ていくくらいがめやすです。
こちらの方法では、竿を自分で持ったまま、竿先から出た糸を自分で引っぱらないでください。竿が大きく曲がりすぎて、折れることがあります。竿の曲がりで確かめるときは、ひとりでやらずに、糸の先をだれかに持ってもらってください。
数字で言うと、糸の強さの 3分の1 から 4分の1
ナイロンの 3号なら、500mL のペットボトル3本ぶんの力で引いたときに、じわっと糸が出るくらいが、ちょうどいい強さです。
糸の強さに対するこの割合は、よく言われる目安で、3号なら 1.4〜1.8kg くらいになります。
22サハラの C3000HG の実用ドラグ力は 3.5kg なので、その半分ほど。入門のリールでも、余裕をもって足りているんですよね。
はかりで測って合わせる人もいますが、はじめは、手で引いた感じで十分かなと思います。糸の強さは、糸のパッケージに lb(ポンド)や kg で書いてあります。
釣りのあいだと、終わったあと
糸が出ているあいだは、巻かずに待つ
魚が走って、ドラグが鳴っているあいだは、ハンドルを巻いても、糸は巻き取れません。竿を立てたまま、魚が止まるのを待ちます。止まったら、巻く。これだけです。糸が出ているのにハンドルを回し続けると、糸がよれて、糸がらみのもとになると言われています。
ただ、あわてて、つまみを締めこまないこと。締めすぎは、糸切れのもとです。「糸が出るばかりで、ぜんぜん寄ってこない」と感じたときだけ、ほんの少し締めます。
終わったら、ゆるめてしまう
釣りが終わったら、ドラグのつまみをゆるめてから、しまってください。締めたまま置いておくと、中のワッシャーがくっついて、ドラグがうまく動かなくなることがあります。ゆるめておくのは、ワッシャーを守るためでもあるんですよね。次の釣りの前に、合わせ直すのを忘れずに。使ったあとの洗い方は、リールの取扱説明書のとおりにしてください。
ドラグを締めても、糸が出ていくときは?
つまみを締めても糸がずるずる出ていくときは、原因はたいてい2つのどちらかです。先に、手元で直せるほうから見てください。
- PE ラインが、スプールの上ですべっている:つるつるした PE ラインは、巻き始めがスプールの上で空回りすることがあります。糸を巻き直して、巻き始めを小さく切ったテープで留めてください。
- ドラグそのものの故障:巻き直しても直らなければ、リールを買ったお店に、修理として預けます。
あとは、使っているうちに、糸が出はじめるときの動きが重く、引っかかるようになってきたら、中のワッシャーが傷んできたサインです。こちらも、お店に相談してみてください。
迷ったら
覚えておくのは、3つだけです。最大ドラグ力の数字で、リールを選ばなくていい。釣りの前に、「強く引くと、じわっと出る」くらいに合わせる。終わったら、ゆるめてしまう。
ドラグは、入門の型にも、ちゃんと付いています。番手を釣りに合わせて選べば、それで大丈夫です。海や川に出るときは、ライフジャケットを用意して、その場所の決まりを確かめてから、竿を出してくださいね。
はじめてのつまずきを、先に減らした1台

ダイワ
24レブロス LT3000-CXH(ダイワの入門の型)
11,000円税抜・メーカー希望本体価格(2026年10月11日時点)。お店の値段は、ボタンの先で確かめてください

